tooola

k-nakama:

同潤会上野下アパートメント…。

この同潤会アパートをつくった、
財団法人同潤会というのは、
1923年(大正12年)に、東京を襲った、
関東大震災の直後に、
都市と住まいを復興するためにつくられた組織です…。

各地から寄せられた義捐金の交付を受けて設立され、
住宅供給により、罹災者の生活再建を含めた、
広い意味の社会政策の遂行を使命とする、
高い理想をもってスタートしました…。

そして、
近代建築の名作とでも言えるような、
個性的なアパートを数多く、つくり出していきます…。

そんな同潤会によるアパートも、
最後に残っていた、この上野下アパートメントが、
昨年取り壊され、
とうとう、
一つ残らず姿を消してしまいました…。

設立後、およそ100年…。
歴史的役割は終えたということなのかもしれません…。

しかしながら、
耐震・不燃化を目指した、
最初期の鉄筋コンクリート造…。
電気・水道・ガス・ダストシュート等の最先端の設備…。
囲い込むような中庭型の住棟配置や、
バラエティに富んだ住戸計画…。
等々…。

どれもが、
後の集合住宅の原形とも言えるようなもので、
高い理想に基づく、実験精神で、
その後の100年をリードする、
大きな一歩となっていたように思います…。

そして、
そのような新しい一歩は、
およそ100年前の、
災害による大きな悲劇をきっかけに踏み出されていました…。

取り返しのつかないほどの、
大きな代償を支払った、その後に、
踏み出す一歩というものは、本来、
そのようなものであるべきなのかもしれません…。